横綱白鵬(31=宮城野)が小結玉鷲を突き落とし、通算1001勝目を挙げた。親交ある歌舞伎俳優の市川海老蔵(38)と長男勸玄(かんげん)くん(3)、中村獅童(44)が観戦する前で、新たな記録への1歩を踏み出した。

 危なげない1勝だった。大記録達成翌日の一番。白鵬は土俵上で「面白い緊張感がありました」と独特の雰囲気を感じた。それでも、玉鷲を寄せ付けなかった。「(白星を)落とせば昨日の1000勝が祝福されない雰囲気だった。花を添えたのかな」と、安堵(あんど)した。

 一夜明け、普段と変わらない姿が稽古場にあった。四股やストレッチで汗を流し、最後はダンベルを持ち上げ、汗を流した。「静かな朝を迎えられた」と冷静な姿。さらに「達成できた満足感はあるけど、前半の土俵ですからね」と通過点とした。

 支度部屋を出ると海老蔵と勸玄くん、獅童から「1001勝おめでとうございます」と祝福の花束を受け取った。3人が観戦していたことは、土俵上から確認できたという。記念撮影では「1001勝ポーズしましょうか」と提案し、カメラのフラッシュを浴びた。

 次に狙うは、普段から口にする「38回目の優勝」。自身の持つ幕内最多優勝記録を更新し、3場所ぶりに天皇賜杯を抱く。最後に狙うは、歴代1位魁皇の1047勝。新たな記録への挑戦が始まった。【佐々木隆史】