NGT48山口真帆(23)が18日、新潟・NGT48劇場で、菅原りこ(18)長谷川玲奈(18)とともに卒業公演を行った。秋元康総合プロデューサーが3人のために書きおろした新曲「太陽は何度でも」などを披露して、アイドルを卒業した。今年1月に、山口が自身への暴行被疑事件を明らかにしてから約4カ月半。騒動が広がった原因などについて、本紙取材班が振り返る。

   ◇   ◇   ◇

約4カ月半の騒動の、1つの締めくくりにもなった異例ともいえる卒業公演は、NGT48との決別を印象づけた。この日の公演は、本人たちの意向を反映して構成されたという。事前に発表された出演メンバーは3人。この日披露した15曲のうち、NGT48の楽曲はオープニングの「Maxとき315号」1曲のみ。3人が最後にやりたかった王道アイドルソングが多く並ぶ中で、本編ラストは、事前に出演が発表されていなかった日下部愛菜(17)角ゆりあ(18)研究生ら5人を呼び込んで、欅坂46の「黒い羊」を披露した。

「<歌詞>黒い羊 そうだ僕だけがいなくなればいいんだ そうすれば止まっていた針はまた動きだすんだろう?」

まるで今回の騒動を想起するかのような楽曲で、会場をどよめかせた。

アンコールでは、涙ぐむシーンもあった。秋元康総合プロデューサーがこの日のために書きおろし、卒業公演のタイトルにもなった「太陽は何度でも」を歌った時だ。「希望とは明日のこと」「みんなの味方だから」などの歌詞に思いを重ねたのか、何度もほおを伝った涙をぬぐった。

同時に卒業する3人がそれぞれに手紙を読み合うなど、騒動以降、結束を高めていった絆(きずな)も感じさせた。山口は「卒業という選択をしたとき、ファンの皆さんがどんな顔をするのか不安でした。『何も出来なくてごめん』という方もいらっしゃいましたが、それは違って、私は皆さんと出会えたことが財産。これから先、どんな人生を歩んでも、皆さんのことを思い出すと思います」とすすり泣くファンに、感謝も忘れなかった。

最後は桜の花びらが舞う中で、AKB48の卒業ソング「桜の花びらたち」を3人で歌った。山口は今後も芸能活動を続ける意志を改めて表明した。「今まで悲しい姿を見せてしまった分、元気を与える存在になることが私の夢。私たちはNGT48を卒業しますけど、これからも力強く歩んでいきたい。また皆さんとお会いできるように頑張りたいと思います!」。力強くも、吹っ切れた笑顔でファンと再会を約束。「応援してるよ~!」と大きな声援が最後まで送られていた。【大友陽平】