<第5回AKB48選抜総選挙>◇8日◇日産スタジアム

 1位の悲願は果たせなかったAKB48渡辺麻友(19)だが、笑顔でスピーチした。「この1年間、1位を目指してやってきたので、第3位という順位は正直、すごく悔しい気持ちもあります。でも、こうやって皆さんと上を目指してやってきた1年間が充実していたので、とっても幸せです」。強がりではなく本心だった。

 1カ月前、手応えをつかんだ夜があった。AKBのデビュー演目、チームA1st「PARTYが始まるよ」公演に初出演した。かつて前田が立っていたセンターで、初期の代表曲「桜の花びらたち」を歌うと、一筋の涙が流れ落ちた。

 渡辺麻

 私は前田さんや優子さんと違って、AKBに憧れてAKBに入りました。ファンとしてネット動画で見続けてたPARTY-公演は、私にとってAKBそのもの。グループに入って6年半もたつのに、今更「あ~、私は今、本物のAKBになれてる~!!」って感激しちゃったんです。

 女優という別の夢への足掛かりとして、AKBに入った1期生前田や2期生大島と違い、アイドルグループAKB48のセンターを夢見ていた最初の世代が、3期生の渡辺麻だった。

 今春から秋元プロデューサーの指名でセンターにも立つ。「先輩の背中を見て分かったことが1つあります。センターになることは難しいかもしれない。でも、センターとして皆さんに認めてもらうことの方が、一番難しいんだと」とセンターへのこだわりと責任感は、ますます強まってきた。「私はどのメンバーよりも、AKB48にささげてきた自信があるので、3位という順位はまだ上を目指していけるということだと思います。来年の総選挙は一番最後に名前が呼ばれたらいいなと思います」。次こそ栄光のスポットライトを浴びてみせる。【瀬津真也】