AKB48グループが20日、女性グループとして史上初の5大ドームツアーを福岡ヤフオクドームでスタートさせた。5都市で11公演の大規模なツアーで、合計40万人の集客を目指す。アンコールでは、地元のHKT48が9月4日発売の2枚目シングル「メロンジュース」の選抜が発表され、田島芽瑠(13)朝長美桜(15)の研究生コンビがダブルセンターに決定。2人は新派生ユニットのメンバーにも選ばれるなど、「次の次世代」色を打ち出した発表がめじろ押しだった。

 5大ドームツアーの初日に、48グループの「未来の扉」が開いた。AKB48にとって約6年ぶりの福岡公演で、ハイライトは地元HKT48によるファンへのサプライズだった。

 選抜総選挙1位の指原莉乃(20)が、アンコール後に1人で登場。メモ紙を手に「ここでHKT48、セカンドシングルの選抜を発表します」と宣言すると、サプライズ慣れしていない博多っ子たちから、静かなどよめきが起きた。指原は最初に「指原莉乃、はい!」とボケて笑いを取った後、15人を次々とアナウンス。最後に「センターは2人。田島芽瑠、そしてもう1人は朝長美桜です!」と明かすと、この日最大の歓声が起きた。

 田島は秋元康総合プロデューサーが「(SKE48の)松井珠理奈の再来」と期待する逸材で、デビューシングル「スキ!スキ!スキップ!」で単独センターを務め、AKB48選抜総選挙では55位に入った。田島に加え、選挙59位の「超妹キャラ」朝長も、グループの顔に抜てきされた。研究生2人によるセンター、研究生7人の選抜入りは、ともに48グループ史上初。早速、ロック調の「メロンジュース」を元気よく歌うと、田島は「福岡のみなさん、応援よろしくお願いします」と呼び掛けた。

 田島と朝長はともに、この日発表された新派生ユニットのメンバーにも選ばれた。顔触れは2人のほか、AKB48小嶋真子(16)西野未姫(14)岡田奈々(15)SKE48北川綾巴(14)NMB48渋谷凪咲(16)。いずれも研究生だ。初サプライズの洗礼を浴びた田島は「何の話か分からない…。こういうものなんですか?」と目を白黒させた。48グループの戸賀崎智信総支配人は「後で曲資料を渡すので、明日からレッスン頑張って下さい」と事務的に通達し、ドームを笑いに包んだ。

 今ツアーでは、篠田麻里子(27)板野友美(22)秋元才加(24)の卒業セレモニーが行われる。一時代を築いた中心メンバーが去り、いよいよ渡辺麻友(19)島崎遥香(19)らの次世代が中心になって動きだす。田島、朝長らが担うのは、さらに次の時代だ。48グループの未来は、ホープ予備軍たちにかかっている。【森本隆】