<第81回アカデミー賞授賞式>◇22日(日本時間23日)◇米カリフォルニア州ロサンゼルス・コダックシアター

 滝田洋二郎監督の「おくりびと」が外国語映画賞に輝いた。

 短編アニメ賞に加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が日本作品で初めて選ばれた。日本映画の2冠獲得は1955年に「地獄門」が名誉賞(外国語映画賞)と衣装賞を受賞して以来、54年ぶり2度目。

 外国語映画部門受賞は1956年の稲垣浩監督「宮本武蔵」以来4度目で、日本人監督作品では76年の黒沢明監督の旧ソ連作品「デルス・ウザーラ」以来となる。

 滝田監督は授賞式で「この映画で助けてくれた皆さんに感謝します」とあいさつした。加藤監督は「とても大きな賞を受け取ることができうれしく思っています」と談話を発表した。

 作品賞は「スラムドッグ$ミリオネア」で、同作品のダニー・ボイル氏が監督賞にも選ばれた。主演男優賞はショーン・ペン、同女優賞はケイト・ウィンスレット、助演男優賞は「ダークナイト」の故ヒース・レジャー、同女優賞はペネロペ・クルス。

 「おくりびと」は山形県を舞台に、遺体をひつぎに納める「納棺師」の姿を描いた感動作。ヒューマニズムにあふれ、生と死の尊厳を際立たせた演出が評価されての受賞となった。

 「おくりびと」は、日本では昨年9月に公開し、興行収入が30億円を超える大ヒット中。本木雅弘主演で広末涼子、山崎努らも出演した。カナダ・モントリオール世界映画祭で最高賞に輝いたほか、国内映画賞を多数獲得するなど高く評価された。

 「つみきのいえ」は約12分間の作品で、海面の上昇に伴い上方へ建て増しした家を舞台にした、独り暮らしの老人の物語。地球温暖化への警鐘を織り込んだ。