8月15日に心不全で亡くなった映画監督の松林宗恵(まつばやし・しゅうえ、享年89)さんのお別れの会が10日、東京・成城の東宝スタジオで行われた。発起人となった司葉子、八千草薫、中井貴一、宇津井健ら芸能関係者を中心に、安倍晋三元首相ら約500人が出席した。

 松林さんは大ヒットした森繁久弥の「社長シリーズ」をはじめとする喜劇から、海軍入隊経験を生かし「人間魚雷回天」の戦争作品まで幅広く手掛けた。

 映画「関白宣言」のモチーフとなった、同名の大ヒット曲を歌う歌手さだまさしは、同映画に出演した弟の佐田繁理さんとともに出席した。さだは「監督が会いに来てくださって、『曲を映画のヒントにしたい。映画に出てほしい』と言われましたが、スケジュールがいっぱいで断ったら、側にいた弟を見て『あんたにする』と言って連れていきました」と懐かしそうに振り返った。

 松林さんはよくさだのコンサートにも訪れたり、ゴルフを一緒にしていたという。さだは「いい字を書かれる方で『頑張れよ』というお手紙をいただきました。とにかく明るくよく笑う人でした」としのんだ。