第51回ブルーリボン賞(主催東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)の授賞式が3日、都内で行われた。主演男優賞の本木雅弘(43)と、妻でエッセイストの内田也哉子(32)が、公の場で14年ぶりのツーショットを見せた。也哉子が「歩いても

 歩いても」で助演女優賞を取った母で女優樹木希林(66)の代理で出席したため。特別賞には昨年亡くなった市川崑監督と緒形拳さんが選ばれた。

 貴重な夫婦ツーショットだった。本木と也哉子は95年7月に結婚、直後に米国に新婚旅行に出掛けた。公の場で2人そろって姿を見せるのは、その結婚当時以来、14年ぶりとなる。本木はブルーのスーツ、也哉子はブルーのワンピースを着て、仲むつまじい姿で授賞式を盛り上げた。

 先に登壇した也哉子は、「女優でもないので筋違いですが」と断ってから、欠席した樹木の「夫の喜ぶ顔が目に浮かびます」というメッセージを代読した。

 次に本木が登壇し、「自分自身の演技は、そんなに優れているとは思っていません」と謙遜(けんそん)しながらも、「納棺の現場で、自分の目と耳で感じた美しさが自信になった」と胸を張った。しかし、樹木との親子受賞などについて聞かれると「妻が同席しているので、緊張しています。樹木さんとの親子受賞より、彼女がいることに緊張しています」と笑わせた。

 也哉子の代理出席は、樹木自ら「娘に出席してもらえるよう、頼んでみます」と申し出た。樹木が託したメッセージには、贈られるモンブランの万年筆を「内田家の財産にする」とあった。本木夫妻、樹木と夫の内田裕也、それぞれが互いを思いやっていることを感じさせた。

 「おくりびと」は米アカデミー賞の外国語映画部門にノミネート、授賞式には本木も出席し、也哉子が同行する可能性もある。アカデミー賞には、本木が16年前にテレビ番組のナビゲーターとして参加し、也哉子と初めて一緒に仕事をした思い出もある。この日の授賞式のように2人で一緒に、受賞のアナウンスを聞くことができるのだろうか。【小林千穂】