元モデルのクリスティーナ・エストラーダさんが、サウジアラビア人の石油王の元夫シェイク・ワリード・ジャファリ氏を相手に1億9600万ポンド(約255億円)の慰謝料を請求していた裁判で、英国の裁判所は総額5300万ポンド(約69億円)の支払いを命じました。2人は2001年に結婚しましたが、14年にガンでスイスの病院に入院したジャファリ氏が患者だった25歳女性と浮気。その後、エストラーダさんの知らないところで、イスラム法に基づいて無断で離婚してその女性と再婚していたとして、巨額の慰謝料を求める訴えを起こしていました。

 驚くのは、要求していた慰謝料の使い道。ロンドンに自宅を購入するための資金6000万ポンド(約78億円)、別荘購入費440万ポンド(約5億7000万円)をはじめ、年間の毛皮代4万ポンド(約520万円)、車5台の購入費49万5000ポンド(約6450万円)、オートクチュールのドレス代が年10万9000万ポンド(約1420万円)などなど、庶民には想像もつかないぜいたくな生活費を要求していました。これに対し、「私は世界的なトップモデルでしたから、こういう生活に慣れているんです」とコメントしていたエストラーダさん。要求額よりもかなり低い慰謝料となりましたが、それでも69億円を手にして裁判所の前で満面の笑みを見せていました。しかし、世には上を見ればもっとすごい人たちがたくさんいます。ということで、高額な慰謝料を支払った世界の有名人を一挙まとめて紹介します。

 2015年に史上最高額の慰謝料としてメディアを騒がせたのは、鉱山で巨万の富を築いたロシアの大富豪ドミトリー・リボロフレフとエレナ夫人の離婚裁判。離婚協議で45億ドル(約4500億円)の支払いが命じられました。ロシアでは過去にも、富豪で英国の人気プロサッカーチーム、チェルシーFCのオーナーも務めるロマン・アブラモヴィッチ氏が3億ドル(約300億円)の慰謝料を支払ったこともあります。

 英国の裁判所では高額の慰謝料の支払い命令は珍しくなく、元ビートルズのポール・マッカートニー。2002年に結婚したモデルのヘザー・ミルズとの泥沼裁判の末に5000万ドル(約50億円)を08年に支払って離婚しました。また、マドンナとガイ・リッチー監督の裁判では、総資産が多かったマドンナが推定7600万~9200万ドル(約76億~92億円)を支払ったと伝えられています。一方、セレブではありませんが、2014年には投資家の男性が英国の離婚裁判史上最高額となる3億3700万ポンド(約438億円)の慰謝料を支払っています。

 超一流のスポーツ選手となれば慰謝料も高額です。元NBAのスーパースターだったマイケル・ジョーダンは、2006年に離婚したファニータ・バノイ夫人に1億6800万ドル(約168億円)を支払っている他、複数の女性との不倫スキャンダルの末にエリン夫人と2010年に離婚したゴルファーのタイガー・ウッズも1億1000万ドル(約110億円)の慰謝料を支払っています。

 ハリウッドスターも負けてはいません。20年間連れ添ったロビンさんと2011年に離婚したメル・ギブソンは4億2500万ドル(約425億円)、2004年に同じく20年間にわたった脚本家のメリッサ・マシスンさんとの結婚生活にピリオドを打ったハリソン・フォードは8500万ドル(約85億円)を支払っています。

 有名人は離婚の代償も相当高くつくようです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」