3カ月にわたってどろどろの離婚劇を繰り広げてきたジョニー・デップとアンバー・ハードが、ついに1年半という短い結婚生活に終止符を打ちました。ハードが、デップから家庭内暴力(DV)を受けたと告発して離婚を申請したことを発端に、連日のように互いを傷つけあう応酬を繰り広げてきた2人。もはや和解は不可能と見られていましたが、裁判を翌日に控えた16日に離婚に合意したことが発表されました。当初はハードの金銭目的とも言われた離婚訴訟は、最終的にハードが示談金700万ドルを受け取り、デップに対するDVの訴えを取り下げることで合意。しかし、ハードは全額慈善団体に寄付することを明言し、デップも連日のDV報道でイメージダウン。両者とも互いを傷つけただけで、誰も得をしない結果となりました。

 世間が注目した本当にDVがあったのかどうかについては当初から両者が真っ向から対立していたにも関わらず、最後は「互いに金銭的な利益のために嘘の責め立てをしたことはなく、肉体的、精神的にも相手を傷つけようとしたことはない」と共同で声明を発表。本当のことは闇に葬られてしまいました。断片的に報じられる一連の報道に、一体何があったのか分からないと言う人も多いと思いますので、時系列で今回の騒動を振り返ってみました。


▼2009年10月

映画「ラム・ダイアリー」(11年)で共演

▼2012年6月

デップは長年のパートナーだった仏女優ヴァネッサ・パラディと破局。ハードと交際を始める

▼2014年1月17日

婚約したと報じられる

▼同年5月

ハードに対するDVを示す携帯電話メールのやり取りが行われた(2016年6月にハードが裁判所に証拠として提出)

▼2015年2月3日

バハマのプライベート島で挙式

▼同年3月

豪州で映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の最新作を撮影していたデップが右手を負傷し、手術のために緊急帰国(3月に入ってから、ハードと口論になってデップがガラス瓶を投げつけるなどして負傷したとされる画像が流出する)

▼同年5月

豪州に正規の手続きを踏むことなく無断で愛犬を持ち込み、裁判沙汰に発展

▼2016年4月

2人は申告せずに愛犬を持ち込んだことを謝罪する動画を公開し、ハードは不起訴処分になり、禁錮刑を免れる

▼同年4月21日

デップはハードの誕生日パーティーでゲストが帰った後でワイングラスを投げつけ、髪の毛をつかんで床に倒すDV行為を行う(ハードが裁判所に提出された書類によると)

▼同年5月20日

デップの母が死去

▼同月21日

デップがハードに携帯電話を投げつけるなどDVを行い、警察に通報。しかし、DVを行った証拠はなく、捜査は行われなかった

▼同月23日

「和解しがたい不和」を理由にハードが離婚を申請し、高額な扶養料を要求

▼同月27日

ハードがデップに対する接近禁止命令を要求し、裁判所が一時的な接近禁止を認める

▼同年6月1日

ハードが顔にあざを作った写真がメディアに掲載される

▼同月

DVは金銭目当てのデマと報じられていることを受け、ハードがデップに求めていた高額の扶養費の要求を取り下げ

▼同月13日

デップの関係者が自宅に荷物を取りに来たことから、ハードに対する接近禁止命令に違反したとして弁護士が警察に通報

▼同年7月

ハードに富豪との新ロマンスが浮上。お相手は電気自動車テスラモーターズのCEO

▼同年8月6日

ハードが離婚審問に1時間半遅刻した上に、泣き叫んで証言を拒否したと伝えられる

▼同月12日

泥酔したデップがキッチンのドアを蹴飛ばし、携帯電話を投げつけるなど暴れる様子を撮影した動画がネットメディアに流出。デップ側はねつ造と主張し、ハードは自ら流出させたことを否定

▼同月13日

ハードは予定通り審問に姿を見せ、7時間にわたる審議を終えたが、和解には至らなかった

▼同月15日

デップが豪州滞在中に暴れてガラスで指を切り、血とペンキで壁に浮気を疑った俳優ビリー・ボブ・ソートンの名前を書いた画像が公開される(2015年3月の出来事と報道)

▼同月16日

離婚に合意したことが発表される


 ハードは現在、英ロンドンで映画「ジャスティス・リーグ」を撮影中。一方のデップはアリス・クーパーらと結成したバンド、ハリウッド・ヴァンパイア-ズのツアーも終わり、9月11日にアルバムのリリースを控えている以外年内は特に公開予定の作品もなく、公の場に出る機会はないとみられています。ハリウッド史上でも類を見ない泥沼離婚劇を繰り広げた2人は、しばらくはひっそりと静かな時間を過ごすことになりそうです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)