落語協会恒例の納めの会が25日、東京・帝国ホテルで行われました。夏の寄合は浅草寺で法要、記念写真を撮ることもあって、浅草ビューホテルで行っていますが、このところ納めの会は帝国ホテルで続いています。

 柳亭市馬会長のあいさつに始まって、来年に真打ちに昇進する林家たけ平、林家ぼたんらがあいさつし、新二つ目、新前座も紹介されました。そして、多発性硬化症で療養中の林家こん平(72)が、弟子のぼたんが押す車いすに座って登場しました。顔色も良く、笑顔で乾杯や手締めにも参加。今年は、日本テレビ系「24時間テレビ」の「笑点」コーナー、「都電落語会1周年感謝祭」出演、故郷の新潟を7年ぶり訪問など、順調に回復しています。

 また、来年9月に師匠の名跡「橘家文蔵」を襲名する橘家文左衛門(53)もあいさつしましたが、夏の寄合の時にもあいさつがあったため、今回はないと思った文左衛門はカジュアルな格好で、急きょ三遊亭金時のジャケットを借りるひと幕もありました。こわもてで知られる文左衛門ですが、この時ばかりは会場に笑いが広がりました。

 今年は84歳だった入船亭扇橋さん、81歳だった橘家円蔵さんと大ベテランが相次いで亡くなりました。一方で、最高顧問の鈴々舎馬風(76)が手締めの時に「五郎丸」のポーズで沸かせ、同じ最高顧問で落語界生活70周年の三遊亭円歌(83)が大締めのあいさつで締めくくり、協会最高齢の三遊亭金馬(86)も元気に会場内を歩き回るなど、大ベテランの存在感が際立っていました。