人口爆発で移民先を探す人類は、火星を地球化すべくコケと“ある生物”を送る。500年後、計画の最終段階として、15人がある生物の駆除目的に送り込まれるが…生物は凶暴な人型昆虫=テラフォーマーに進化していた-。

 原作は漫画。昆虫のDNAが組み込まれ、グロく変異する15人VSテラフォーマーなんちゅうハチャメチャ話の実写化には、熱血バイオレンスの巨匠、三池崇史監督しかおらんやろう。

 雨の中で怪しく光る「ヒサヤ大黒堂」のネオン看板…。オープニングは、まるで「ブレードランナー」やないか~。戦闘シーンは、ナンセンスSF「スターシップ・トルゥーパーズ」みたい。ある生物駆除剤を噴霧する機械には「アース」のロゴ。小池栄子のカマキリ拳法、渋川清彦の仁王立ち入れ墨ヤクザに爆笑。“赤い彗星”池田秀一のナレーションなんか「そう来るか!」とシビレてもうた。

 「悪の教典」の伊藤英明、「クローズ」の小栗旬、山田孝之ら“三池組組員”は好き放題のやりたい放題。山下智久の気色悪い変異には、女性ファンの悲鳴が聞こえてきそう。暴力、愛、笑いがごった煮の三池作品はやっぱり癖になる。【加藤裕一】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)