昨年3月末にヘルニアを伴う脊柱管狭窄(きょうさく)症を患い休養中だった漫才師横山たかし(66)が29日、大阪・道頓堀角座で、リハビリと大金持ちのおぼっちゃまキャラを逆手に「48億円の純金車いす」の乗って登場し、漫才活動を再開させた。

 自称「大金持ちのおぼっちゃま」のたかしは金ぴか衣装で、ほらを吹き続け、相方の横山ひろし(68)につっこまれ、赤いハンカチをかみ「すまんのぉ~」。熟練のネタ運びは健在で、ここに「48億円の純金車いす」が加わった。

 腰を痛めた原因を「38億円の純金衣装が重すぎた」とし、金ぴか車いすは「安倍総理がおぼっちゃまが苦しんどるから」と手配したといい、その費用は「48億円」…。とどまることを知らないたかしのほらに場内は大爆笑だった。

 ネタ合わせの時間は少なかったが、ブランクを全く感じさせないネタ運びに、ひろしも「コンビを組んで45年、その重みを感じました」と笑顔を見せた。

 たかしは舞台を終え、取材に応じ「口は動くのに足が自由にならんで、そらもうしんどかった」。昨年に2回、手術を受けたものの、リハビリは腰の激痛との闘いで、下半身の筋力低下から、思うようにリハビリが進まなかった。

 自宅に平行棒を設け、歩行訓練を開始したが、自力歩行までのメドがなかなか見えず、リハビリと仕事の両立をどうすべきか悩んでいたという。そんなとき、増田英彦(45=ますだおかだ)の提案からスタッフが動き、車いすでの漫才計画がスタート。「おぼっちゃま」キャラクターにあわせ、金ぴかの特製車いすを製作し、車いすでの漫才を始めることにした。

 今後はリハビリと並行し、しばらくは「48億円の純金車いす」で漫才など仕事を続ける。現在は歩行器を使い、移動しているが、たかしは「温かくなるころには、もう少しよくなると思う」と言い、5月にはNHK「上方演芸会」への出演も決まっている。

 熱烈な阪神ファンで「年間全試合を(テレビや球場観戦で)見てきた」ことで知られ、たかしは「球場に見に行けんのもつらいのぉ~」。大好きな漫才、タイガースの試合を栄養源に完全復活を目指す。