大腸がんで亡くなった今井雅之さん(享年54)について、親交の深い俳優梅沢富美男が28日午後、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演し、今井さんの大腸がんが発見された際、すでに肺などにがんが転移していたことを明かした。

 「昨年9月、そういう連絡がありました。見つかった時、既にいろんなところに転移していて、肺にも転移していて、星空みたいにがん細胞が、うっすらとたくさんあると言っていました…。だから、抗がん剤治療が必要でしたが、何度も『苦しい。もう、(抗がん剤治療を)やめたい』と言っていました」

 その一方で、今井さんは2人で共演しているMXテレビ「バラいろダンディ」(月~金曜午後9時)の木曜コメンテーターとして出演にはこだわりを見せていたという。

 「しゃべれないのに出たいと言うんですよ。生きる大切さをあの番組で伝えたかったんだと思います」

 舞台降板を決めた際は、梅沢が「どうしたんだ。降りるなよ」と言ったところ、今井さんは「兄貴、声が出ないんですよ。いつも言っていたじゃないですか。役者は1に声、2に声、3に顔だと」と返したという。

 その状況も踏まえ、梅沢は「つらかったと思います。舞台人にとって、舞台に上がれないことは、死ねというのと同じですから」と、当時の今井さんの心境を推し量った。

 また、今井さんが亡くなる2週間前、梅沢に電話をして「腸の検査に行った方がいいですよ」とアドバイスしていたことを明かしたという。それを受け入れた梅沢は早速、大腸の検査を受けたといい、「あと1週間で結果が出て、報告するつもりでした。本当に悔しいです。何で演劇の神様は、彼のような熱い人間を連れていくんだと言いたいです」と無念さをにじませていた。