NHK大阪放送局の正籬聡(まさがき・さとる)局長が2日、大阪市中央区の同局で定例会見を開き、同局が制作に関わった「クローズアップ現代」のやらせ疑惑に関連し、停職3カ月の処分を受けた記者について言及した。

 同記者は、出家詐欺に関するやらせ疑惑が指摘されて処分されたが、処分期間が終わった後の処遇について問われると、正籬局長は「まだ決まっていない」。記者側から、今後についての何らかの意思表示があるかについては、「示していないと思う。聞いていない」とした。その上で、いずれ、記者として復帰する可能性を問われると、「人事のことは私の口からは避ける」と否定しなかった。

 また、同記者が関わった番組で大相撲の賭博を取り上げ、そこから新たなやらせ疑惑が一部で報じられている。これについては「記者が大阪に所属する以前の番組で、東京の本部が精査し、(出家詐欺も含め)2つの疑惑ともに事実の捏造(ねつぞう)につながるやらせはなかったとの見解が出ている」とした。