木村拓哉(42)主演映画「HERO」(18日公開、鈴木雅之監督)の完成報告会見が5日、東京・霞が関の法務省で行われ、木村、北川景子(28)佐藤浩市(54)らが出席した。

 芸能関係のイベントが同省で行われるのは初めて。同省の象徴、赤れんが棟をバックに撮影も行われた。木村は表情を引き締めた。「これから検察官になる方が、ここを通って世の中に羽ばたいている。ここで写真を撮れることに縁を感じるし、法務省のみなさんに感謝しています」。

 木村演じる検察官、久利生(くりゅう)公平は、誰にも公平な態度で接し、善悪を見極めるキャラクター。昨年7月からフジテレビ系で放送されたドラマ版では、文科省とタイアップし、道徳教育促進キャンペーンに参加した。今作では、法務省の赤れんが棟内で撮影が行われるなど、再び政府側の協力を得た形だ。

 撮影現場では、木村自身が撮影中止の危機を救う「HERO」になっていた。佐藤が、アレルギーで顔が腫れる事態に見舞われた際のエピソードを明かした。「座長(木村)が知っている大学の系列の病院に急きょ行かせていただき、点滴と注射を打ったんです。何とか無事に撮影ができ、座長のおかげでございます」。頭を下げる佐藤に、木村は恐縮しきりだった。【森本隆】

 ◆「HERO」 木村演じるスーツを着ない検察官の久利生が、偏見や圧力に屈せず、事件の真相を追及していく。01年1月期、フジテレビ系連続ドラマとして放送。松たか子をヒロインに迎え、平均視聴率34・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録する人気シリーズに。06年のスペシャルドラマに続き、07年には初めて映画化され、興行収入81・5億円で同年邦画1位。昨年7月期、木村以外の主要キャストがほぼ一新され、連続ドラマ第2シリーズが放送。平均視聴率21・3%を記録した。