覚せい剤取締法違反などの罪で有罪判決を受けた歌手ASKAと不倫交際し、同法違反(使用)の罪に問われた栩内香澄美被告(38)の控訴審判決公判で、東京高裁(井上弘通裁判長)は16日、懲役2年、執行猶予3年とした1審東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 栩内被告は、この日も上下黒のスーツにハイヒール。髪は1つに結び、メガネをかけた装いで出廷。まっすぐと裁判長を見詰めて、判決を聞いた。最後に裁判長から、上告について説明があり「分かりましたか?」との問いかけには、消え入るような声で「はい」と答えた。

 栩内被告側は、被告への第1次、第2次の毛髪鑑定の結果が相反していたにも関わらず、3回目の鑑定を実施しなかったことなど、訴訟手続きの法令違反があったこと、ならびに栩内被告に覚せい剤使用の故意がないことなど、事実誤認があるとして控訴していた。

 先月23日の控訴審第2回公判では、弁護側が新たな証拠として、ASKAと弁護人によるメールを提出。栩内被告から覚せい剤反応が出たことに「考えられるのは私しかありません」などと証言していたが、それについても「具体的な(使用の)原因を述べておらず、特段の事情をうかがわせるものではない」とし、第1審判決を支持した。

 栩内被告は昨年5月、東京都内などで覚せい剤を使用し、逮捕された。被告は1審から故意を否認して、無罪を主張。今年1月14日に1審判決が言い渡され、同20日に控訴していた。