台湾の6人組ロックバンド、MAGIC POWER(マジックパワー)が日本デビューを前に日刊スポーツの取材に応じ意気込みを語った。吉本興業と契約、ロンドンブーツ1号2号田村淳(41)が作詞を手掛けた収録曲もあるアルバムを11月に発売するなど、期待も高い。大阪、東京でのライブも決まり日本語特訓中。バラエティー番組などお笑い界進出も視野に入れるなど、日本進出にやる気満々だ。

 MAGIC POWERは台湾でこれまで4枚のアルバムを発売。ダンサブルでド派手なレーザー光線を使ったステージが注目され、台湾のトップクラスの人気を誇るバンドだ。吉本興業のレコードレーベルと契約し、11月4日発売のアルバム「THE BEST OF MAGIC POWER」でいよいよ日本デビューを果たす。

 収録曲「I Still Love You」では、吉本所属の田村淳が日本語版の作詞を担当。ボーカルのティンティンは「台湾で(淳出演のテレビ朝日系)『ロンドンハーツ』を見ていて大ファン。まさか淳さんに歌詞を書いてもらえると思ってなかったから興奮しています。失恋ソングなんですけど、ユーモアがあって温かい淳さんなら、前向きな歌詞をつけてくれると思います。ただ、心配なのは、淳さんはモテるから失恋の経験がなさそうなこと」と笑う。

 同バンドはシンガポール、マレーシア、香港、中国などでも人気で、動画サイト「ユーチューブ」における、楽曲のミュージックビデオなどの総再生回数は計1億回超。11月27日大阪、同29日東京でのライブ開催も決定した。ボーカルのガーガーは「ぜひ生で、見て、聞いて!」。

 氣志團など日本のバンドと交流がある。ドラムのアシャンはバンドを始めたきっかけを「X JAPANのYOSHIKIさんに憧れた」。ベースのカイカイは、氣志團のボーカルの綾小路翔が06年のNHK紅白歌合戦に、裸に見えるスーツを着たダンサーと出演して騒動になったことを知ると「いいね。この前、台湾のコンサートで満員御礼にタオル1枚で踊った。日本でもやりたい」と“裸ダンス”にも意欲を見せた。

 ヒット曲「射手」で見せる、ハートを射抜くことをイメージしたシューターダンスはアジア各国で人気。DJグーグーは「ぜひ、新宿の大きなテレビウオールに映りたいね」と東京・新宿駅前のスタジオアルタの大型ビジョン出演を熱望。ギターのレイボウは「みんなで日本語を特訓しているけど、まだ下手くそ。日本語でインタビューを受けられるくらいうまくなって、バラエティー番組でギャグをとばしてみたいですね」と話した。【小谷野俊哉】

 ◆MAGIC POWER ボーカルのティンティンとガーガー、リーダーでベースのカイカイ、ギターのレイボウ、ドラムのアシャン、DJのグーグーの6人組。09年にデビュー。13年のシングル「射手」などがヒット。これまで台湾、中国、香港、アメリカ、カナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシアでライブを開催。映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(12月18日世界同時公開)の台湾地区イメージキャラクター。

 ▼台湾のバンド 99年にデビューしたMaydayが、1カ所での観客動員記録5万5555人を持ち、アジア全域で幅広い人気。日本でも13年11月にベストアルバムを発表、昨年6月に「Do You Ever Shine?」でシングルデビューした。先月には日本武道館で2日間連続ライブを開いた。同じ事務所のMaydayが、その実力を推奨したことでも話題になったのがMAGIC POWER。トップ人気のこの2グループに、Cosmos People、APHASIA、Chthonic、LTKコミューンらが続く。