50年代の終わりから60年代にかけて一世を風靡(ふうび)した「日劇ウエスタン・カーニバル」が30日、1日限りの復活をした。

 東京・五反田のゆうぽうとホールが33年余りの歴史に幕を下ろすのに合わせ、かつてのメンバー平尾昌晃(77)ミッキー・カーチス(77)らが集結した。

 「ザ・ヒットパレードのテーマ」でスタートしたステージは「テネシーワルツ」「シェリー」「ユー・アー・マイ・デスティニー」など当時のヒット曲のオンパレード。最後の「ラブ・ミー・テンダー」まで34曲を披露した。

 平尾、カーチスとともに「ロカビリー3人男」と呼ばれた山下敬二郎(享年71)は4年前に胆管がんのため死去。カーチスは「分骨してもらった骨を持ってきた。今日は3人一緒だ」と天を仰いだ。

 当時3人の舞台には常に女性ファンが詰めかけた。終演後平尾は「あの頃騒いでくれた女性のパワーが今の日本を支えているんです」。カーチスは「でも、舞台に上がってくる迫力には毎日命の危険を感じましたね。今は別の意味で命の危険を感じているけど」とそれぞれ振り返った。

 平均年齢が70歳を越える出演者と同様に聴衆も同年代。終盤、往年の騒動を再現するように舞台上にファンが登ってもステージは続行。最後は平尾が「足元に気をつけて降りてくださいね」と締めくくった。