吉永小百合(70)が4日、都内で行われた第63回菊池寛賞授賞式に出席した。

 吉永は長年にわたる女優としての活動と、86年からライフワークとして続ける、原爆詩の朗読と、東日本大震災被災者の詩の朗読活動で、支援に尽くしてきたことを評価されて受賞した。

 吉永は席上で、音楽家坂本龍一(63)が東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の小、中、高、大学生を中心に編成した楽団「東北ユースオーケストラ」が、来年3月26日に東京オペラシティで開催するコンサートに出演することを明かした。「来年3月、坂本さんが理事を務める東北ユースオーケストラの演奏会がございます。私も、ちょっとだけ出演し、すてきなコンサートを開きたいと思います」。この日、菊池寛賞の副賞として100万円を授与されたが「いただきます賞金は、その会のために使わせていただきたいと思います」と明らかにした。

 吉永は10年7月にコンサート「平和への絆」を開催した際、坂本との初共演を熱望して実現。その縁から、吉永が主演する映画「母と暮せば」(12日公開)の山田洋次監督に坂本を紹介し、坂本が映画音楽を担当した。坂本は昨年7月に中咽頭がんを公表後、療養していたが、「母と暮せば」の音楽制作で活動を再開した。吉永は「私は尊敬する方が2人、いらっしゃるんですけど…おひとり、山田洋次さんの『母と暮せば』が来週、公開を迎えます。生き方にあこがれる坂本龍一さん…彼が音楽を担当してくださった。大変うれしく思います」と語った。

 この日は、映画「日本のいちばん長い日」の原作者として知られる作家の半藤一利氏(85)、NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」「からーでみる太平洋戦争」、書評誌「本の雑誌」と、車いすテニス世界王者・国枝慎吾(31=ユニクロ)も受賞した。国枝は英ロンドンで開催中の「車いすテニスマスターズ」に参戦中のため欠席し、ビデオメッセージを寄せた。