沢口靖子(50)長沢まさみ(28)らが所属する芸能プロダクション「東宝芸能」が初めてアスリートを手掛ける。ブラジルや日本で活躍するサンバダンサー工藤めぐみ(30)だ。05年から毎年、リオデジャネイロで開かれるカーニバルに参加。同カーニバルは、お祭りイメージが強いが、実は技を競うサンバのコンテストなのだという。毎年優勝を競う強豪チームで花形ダンサーとして活躍中。09年のチーム優勝時に、日本人初の栄誉も手にした。

 東宝芸能との縁は、バラエティー番組で長沢と会ったことから生まれた。各分野のプロフェッショナルが芸や技を披露する番組だった。長沢から「サンバを見て元気をもらった」と連絡を受けて親交が始まった。長沢は今年のカーニバルを生観戦したという。

 長沢の強い推薦もあり、このほど東宝芸能入りが決まった。「サンバの魅力をどうしたら伝えられるだろうと思っていたので、これを機に、もっとサンバを知ってもらいたい。セクシーなダンスというだけでなくアスリートの部分も見てほしい」と話す。体幹の強化や美しい体を作るにも、サンバは最適という。「ボン、キュッ、ボンのプロポーションを作るコツも伝えたい」と書籍やDVD制作にも意欲を示す。

 来年2月のカーニバルでチームが優勝したら、リオ五輪の開会式などに関わる可能性も出てくる。「頑張りたい! 開会式だけでなく、ブラジルの様子や情報も日本に伝えたい」。

 19歳でリオに初めてサンバ留学した時はまったく話せなかったポルトガル語は、日常生活を難なくこなせるまでになった。95年の阪神・淡路大震災後、母と一緒にサンバを始めた時から「見る人を元気にしたい」と思ってきた。多くの人に見てもらえる機会が増えることで、その思いは実っていく。【小林千穂】

 ◆工藤(くどう)めぐみ 1985年(昭60)9月3日、神戸市生まれ。9歳でサンバを始める。04年に18歳でインストラクターに。同年に大学休学、リオデジャネイロにサンバ留学。05年、リオのカーニバルにパシスタ(メーンダンサー)として初出場。09年に強豪チーム「サルゲイロ」のパシスタとしてカーニバル優勝。10、11、13~15年も同チームで出場。帰国時は神戸のサンバチームのリーダーを務める。168センチ。