日本映画製作者連盟(映連)の新年記者発表が26日、都内のコートヤード・マリオット銀座東武ホテルで行われた。

 15年の興行収入(興収)は前年比104・9%の2171億1900万円で、興収発表を開始した00年以降で見ると、10年の2207億3700万円に次ぐ2番目の好成績だった。内訳は、邦画が前年比99・7%の1203億3670万円、洋画が前年比112・1%の967億5200万円だった。平均入場料金も前年比101・4%の1303円で、史上初めて1300円台となった。映連の岡田裕介会長(東映)は「4DX、IMAXなどが人気を博して、単価を押し上げたと考えます」と説明した。

 一方で、劇映画のビデオソフト販売の小売店売り上げは、前年比88・7%の2263億円にとどまった。岡田会長は「少し落ち込んできている。あまり、良い傾向ではないと思う」と答えた。dTV、Hulu、ネットフリックスなど定額動画配信サービスが普及する中、映画各社などコンテンツホルダー直営型映像配信事業「ボノボ」も昨年12月から本格始動と、パッケージからネットへの移行が進んでいる状況が浮かび上がった格好だ。松竹の迫本淳一社長は「作品を手元に取っておきたいということもあり、DVDなどの需要はなくならない。レンタルは今後、配信に変わっていくのでは」と予測した。

 15年の興行収入10億円以上の作品38本中、アニメが12本入った。東宝の島谷能成社長は「(東宝は15年公開の)34本で、興収731億5100万円。うちアニメは8本で全体の40%弱の興収を挙げた。例年通りの強さ。実写、アニメ、邦画、洋画とは、考えなくて良いと私自身は思っております」と、自社の例を引き合いに、アニメが映画業界に置いて重要なコンテンツであると強調した。

 映画の輸出も、前年比150%と伸びた。中国、東南アジアを中心に欧米など世界各国に輸出が広がり、特にアニメの配信が伸びたという。KADOKAWAの井上伸一郎専務は「アニメは日本の重要な文化。第1次アニメファンが還暦を迎え…3代(ファンが)続いている。アニメのシリーズものは重要ですし、シリーズものになりうるオリジナル作品を作りたい。シリーズもののアニメとオリジナルアニメは両輪として各社、考えていると思います」と、アニメ映画についての分析を語った。