タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)の102期生文化祭が13日、宝塚バウホールで始まり、初日昼公演の演劇部門では、元モデルで実業家の君島十和子さん(49)の長女、君島憂樹さんが主演した。

 文化祭は3部構成で、1部が舞踊や歌、2部は演劇で、3部がダンスなどを披露する。憂樹さんは演劇「オーロラの歌声」で、主人公のスウェーデン皇太子を演じた。

 芝居は、父王から、2年間、近衛隊養成所で学ぶよう言われ、仲間と苦楽をともにする設定。予科、本科と2年にわたり、互いに励まし合った102期生39人の絆ともオーバーラップするかのようなセリフも。皇太子として仲間との別れを迎えた場面では「心通わす2年間であった」「それぞれの道を歩む時がきた」。今の心情、情感がこもった熱演だった。

 娘の晴れ姿を見届けた十和子さんは「皆さまのおかげでセンターに立たせていただきましたが、課題が多く見つかりました。まだまだです」と辛口。普段から宝塚歌劇を観劇するファンだが「今日はまったく楽しめませんでした。セリフを間違わないか、心配で…」とほっとした様子だった。

 父の誉幸さん(50)は「2年間、切磋琢磨(せっさたくま)して、この道でやっていくという覚悟が見えてきました」と笑顔。歌唱部門でもデュエット場面を得た憂樹さんは、男役らしい低音が響く歌声で、誉幸さんは「小さいころから声が低く、それは(男役として)よかったですね」と語った。

 憂樹さんは男役志望ながら、身長は約170センチと体格にはそう恵まれてはおらず、夫妻は「(男役としては)背は低いですが、子供のころから(宝塚を)見てきていた子なので、これぞ“ザ・宝塚”といった男役を目指してくれたら」と話していた。

 文化祭は14日にも2公演が行われ、卒業式を経て、3月18日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する星組公演「こうもり」「THE ENTERTAINER!」で初舞台を踏む。