フランスで開催中のカンヌ映画祭で13日(日本時間14日)、日本初の長編アニメ映画「桃太郎 海の神兵」(1945年、瀬尾光世監督)の公式上映が行われた。

 松竹が当時、海軍省の依頼により製作した国威高揚を目的とした映画。昨年で創立120周年を迎えた同社が、戦後70周年を記念し、4Kの最新技術を駆使してデジタル修復した。上映会に出席した松竹の高橋敏弘取締役は「戦時下の国策映画ですが、手塚治虫さんをはじめその後の日本のアニメーションに大きな影響を与えた歴史的に非常に重要な作品です」と語った。

 カンヌのクラシック部門は、世界的なクラシック映画を修復して上映するもので、過去に小津安二郎監督の「秋刀魚の味」などが上映されている。