12日に亡くなった演出家蜷川幸雄さん(享年80)の遺作舞台「尺には尺を」が25日、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で初日を迎えた。

 3回のカーテンコールでは藤木直人(43)が大粒の涙を流し、多部未華子(27)も目をうるませていた。出演者が並ぶ後ろには、蜷川さんの葬儀時の遺影と同じ大きな写真パネルが登場し、大きな拍手が起こった。

 客席には大竹しのぶ(58)藤原竜也(34)の姿も見られた。公演プログラムの冒頭には「本公演を追悼公演として、蜷川さんにささげます」とのあいさつが記されていた。同劇場のシェークスピアシリーズは、全37作品の完全上演まで残り5作品。主催者側は、蜷川さんの遺志を引き継ぎ、シリーズを続けていくとしている。6月11日まで。