女優高畑充希(24)が、舞台「エレクトラ」(来年4月14日初日、東京・世田谷パブリックシアターほか)で、ギリシャ悲劇女優の第一人者、白石加代子(74)とダブル主演を務めることが22日、分かった。10年に2人が出演した日本テレビ系ドラマ「Q10」では演技の絡みがなく、今作が実質的に初共演となる。

 「エレクトラ」は世界各国で舞台化されている名作。高畑は、父である国王を殺した母クリュタイメストラ(白石)を恨み、弟と復しゅうを企てる王女エレクトラを演じる。掛け合いが多い現代劇と違い、数ページに及ぶ長ぜりふもあり、新たな挑戦となりそうだ。

 高畑にとって、長年の夢がかなう舞台だ。08年の「身毒丸」で、髪を振り乱す白石の鬼気迫る演技に魅了されたという。白石の楽屋を訪ね「将来、必ず白石さんと共演できる女優になります」と宣言。当時、駆け出し女優だった高畑の言葉を、白石は覚えており、13年に朝ドラ「ごちそうさん」の高畑を見て思い出した。「この子と共演できたらすてきね」と白石から逆ラブコールを送り、共演が実現した。

 高畑は「10代のころから白石さんに憧れていて、毎回びっくりするような存在感で圧倒されます」と心酔する。白石も「彼女の演技は芯が通っていて、ユーモアも愛嬌(あいきょう)もある」と絶賛。PR用の写真撮影では、手をつないで仲良しな姿を見せた。白石は「愛し合ってるから、憎む役もできるのよ」と、舞台に立つ日を楽しみにしている。

 ◆白石加代子(しらいし・かよこ)1941年(昭16)12月9日、東京都生まれ。67年に早稲田小劇場(現SCOT)に入団。89年に退団後、幅広い分野で活躍。主な出演作に舞台「グリークス」「ムサシ」、ドラマ「Q10」。01年芸術選奨文部科学大臣賞、05年紫綬褒章。