「上を向いて歩こう」の作詞や「大往生」の著書で知られる放送タレントの永六輔さんが死去したことが11日、分かった。

 83歳。東京都出身。

 永さんは、TBSラジオで毎週月曜日に放送されていた長寿番組「六輔七転八倒九十分」を今年6月27日で終了していた。

 終了の話は5月9日の番組内で発表された。

 その時に、所属事務所が番組に寄せた手紙の主な内容は以下の通りだった。

 本年2月より「六輔七転八倒九十分」をお休みさせていただいている現在、リスナーの皆様はじめ、関係者の方々には大変ご迷惑をおかけしております。

 永六輔は、昨年の秋ごろから背中の痛みが強くなり、またその痛みは寝起きする時や車椅子の乗り降りの際、つまり体を動かす時に特に強く現れていました。今年に入って、この症状が顕著になったために、病院で検査を受けていたところ、一昨年の圧迫骨折とは別のところに、脊柱(せきちゅう)の損傷が生じ、神経を圧迫していることが分かりました。そのために2月1日に問題の部位の上下の脊椎(せきつい)骨をブリッジで固定する手術を受けました。これがうまくいったおかげで、体を動かす時の痛みがほとんどなくなり、心身の負担は大きく減りました。

 その後、患部のさらなる処置を受けている間に不幸にも誤嚥(ごえん)による肺炎を起こしてしまいました。その肺炎も約2週間の期間を経て、今は完治いたしました。ただ、この間は絶食を余儀なくされたために体力が落ちてしまい、話をすることも難しい状態ではあります。

  ―(中略)―

 パーキンソン病ということもあり、十分な体力回復にどのくらいかかるかはまだめどがついておりません。ここは一旦、自分の名前の付いた番組については締めくくりをさせていただいた上で、ぜひまたお耳にかかる機会を得たいと考えている次第です。