今年で41回目を迎える大分県・湯布院映画祭を前に、常連の俳優奥田瑛二(66)らが25日、都内でトークイベントを行った。

 30年あまり映画祭に参加してきた奥田は「観客からの突っこみも辛口で僕らにとっては竜巻のような5日間です。家族ぐるみで参加してきました」と感慨深げ。映画監督になった長女の安藤桃子さん(35)や次女の女優安藤サクラ(30)は小学生低学年の頃から同行していたという。

 「娘たちの作品が絶賛されるようになって年月を感じます。『トンビがタカを生んだ』と言われると抵抗がある。『トンビはトンビ、タカはタカしか生みません』と言い返すようにしています」と娘たちの成長を笑顔で語った。

 映画プロデューサーの成田尚哉さん(65)は「この映画祭に公開前の作品を掛けるとヒットするというジンクスがあった。ありがたい映画祭です」と日本最長の歴史を誇る映画祭をたたえたが、近年メジャー作品が掛からない傾向もある。

 脚本家の荒井晴彦さん(69)は「昔はステータスがあったが、最近は『宣伝にならない』という映画会社の人もいる。寂しいばかりだ」と本音を漏らした。

 多くの企業を集めた近年の製作委員会方式の大作映画は、立ち上げから宣伝戦略が固められ、個性的な映画祭とは無縁となっている事情もあるようだ。

 映画祭は8月24日から。瀬戸内寂聴原作の「花芯」などが上映される。