宝塚歌劇団は23日、宙組トップ娘役、実咲凜音(みさき・りおん)が来年4月30日付で退団することを発表した。最後の公演は同2月3日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「ミュージカル・コメディ 王妃の館」「スーパー・レビュー VIVA!FESTA!」。同公演の東京宝塚劇場千秋楽で退団する。

 宙組は前日22日に「エリザベート」の兵庫・宝塚大劇場公演を終えており、実咲はタイトルロールのエリザベートを好演。トップ娘役として、これまで「ベルサイユのばら」「風と共に去りぬ」にも出演しており、劇団を代表する3作すべてを“制覇”して話題を呼んだ。

 実咲は09年、娘役では首席の成績で入団した95期生。花組に配属され、2年目の10年夏、「麗しのサブリナ」新人公演で、タイトルロールを演じて初ヒロイン。同年11月には、現在トップコンビを組む朝夏まなと主演の「CODE HERO」で、バウ・東京公演でも初ヒロインに抜てきされるなど、早くから注目された。

 抜群の歌唱力、流れるような身のこなしを生かしたダンス、筋の通った演技力を備え、上級生の相手役を次々に務め、12年5月に宙組へ異動。前宙組トップ凰稀かなめの相手娘役に就き、凰稀の退団後も、トップ娘役として、現トップ朝夏まなと組んできた。

 花組時代から共演を重ねてきた朝夏とのトップコンビは、ともに歌、ダンス、芝居と3拍子そろった華やかで優雅な宝塚らしいコンビで、ファンの間では「まあみり」と呼ばれ、親しまれてきた。

 朝夏とのコンビでは、昨年6月の「王家に捧ぐ歌」から、今年の正月公演「Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」と、最後の公演で、本拠地3作になる。

 実咲は24日、兵庫県宝塚市内で退団会見を開く。