マレーシアの政府系投資ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」から横領された巨額の資金の中から、レオナルド・ディカプリオのチャリティ財団に直接、寄付が行われていたことが発覚。

 チャリティ団体「レインフォレスト」は先週、レオに公開状を送り、「“国連平和の使者”に任命されている立場上、マレーシアの汚職に歯止めをかけるべき」として、受け取ったお金を返還するよう促したという。

 英テレグラフ紙の報道によると、米司法省はレオの環境保護チャリティ財団と、総額35億ドル(約3500億円)におよぶ巨額の横領スキャンダルとの関連性について調査。

 米司法省が横領金で購入された資産の差し押さえを求め、ロサンゼルスの連邦裁判所に提出した訴状の中で、レオは「ハリウッド俳優1」として言及されているが、訴訟の対象とはなっていないという。訴状によると、少なくとも10億ドル(約1000億円)が米国内で資金洗浄され、不動産や美術品の購入に使用されたとされている。

 マレーシア政府が所有する投資ファンド「1MDB」には80億ドル(約8000億円)以上の資金が集まっていたが、2009年から2015年にかけて、そのうち35億ドルが横領されていたことが発覚。

 レオの友人でマレーシアの実業家ジョー・ロー氏が、そのうちの約3分の1を使い込んでいたとされている。ロー氏はオークションで110万ドル(約1億1000万円)で美術品を落札するなど、レオのチャリティを支援したとされている。

 司法省の調査によると、マレーシアのナジブ首相の義理の息子であるリザ・アジズ氏の製作会社が、レオ主演の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年公開)に出資していたが、この会社にも横領金から数百万ドルのお金が流れていたという。(ニューヨーク=鹿目直子)