米大統領候補ドナルド・トランプ氏の妻メラニア夫人(46)が1日、英デイリー・メール紙の親会社メール・メディア社、および米ブロガーを名誉毀損で訴えるとともに、1億5000万ドル(約150億円)の損害賠償金を求めたことがわかった。

 メリーランド州の巡回裁判所に提出された訴状によると、問題となっているのは、8月19日付のメール紙に、「裸の写真撮影、消えないビザに関する疑惑: ドナルド・トランプのスロベニア人妻の非常にみだらな過去」というタイトルで掲載された記事。

 メール紙は、1990年代半ばにスロベニアからニューヨークに観光ビザでやって来た夫人が、モデル事務所に所属し、違法に仕事をしていたとした上で、モデル事務所の経営者が高級エスコート・サービスも経営しており、夫人がパートタイムのエスコートとして働いていた時にトランプ氏と出会ったと報じていた。ウェブスター・グリフィン・タープリーというブロガーも、同様の記事を掲載していた。

 米ハリウッド・リポーター紙によると、ハーダー弁護士は訴状の中で、「デイリー・メール紙の記事の内容は間違いである。原告は合法的にモデルの仕事をしており、エスコート・サービスの仕事はしていない。売春婦、エスコートなどでは全くなかった。原告は1996年までアメリカに来なかったため、それ以前には現在の夫と出会わなかった」と主張。

 さらに、「メール紙の記事は100%誤りであり、夫人の個人的および仕事上の評判を著しく傷つけている。被告の報道は悪意に満ち、夫人にとって害のあるもので、損害額は1億5000万ドルと見積もられる」との声明を発表した。

 メール紙とブロガーはその後、記事を撤回。メール紙は今週、謝罪と釈明のコメントを発表したが、夫人はなおかつ訴訟を進めているという。(ニューヨーク=鹿目直子)