大ヒット中のアニメ映画「君の名は。」(新海誠監督)の音楽を手掛けたロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」のNHK紅白歌合戦初出場が濃厚になったことが17日、分かった。映画は16日までに興行収入が154・1億円に達する大ヒット。NHKは、今年を象徴する映画音楽を生み出した同バンドの出場を熱望している。

 「君の名は。」で流れるRADWIMPSの数々の曲が多くの観客の心を揺さぶり、作品評価を高める一因となった。映画の大ヒットは今年のエンターテインメント界を象徴するニュースで、同バンドの音楽も同時に注目されている。

 新海監督の希望で音楽を担当し、20曲以上の劇中音楽を作り上げた。8月24日に発売したアルバム「君の名は。」は今も売れ続け、17日付オリコン週間ランキングでも6位で、今も上位をキープ。26万3400枚を売り上げる大ヒットを記録している。NHK関係者は「社会現象となった大ヒット作の音楽を手掛けたバンドは外せない」と出場を熱望。水面下で調整を進めている。

 映画の大ヒットに背中を押されて、同バンドも波に乗っている。9月にはテレビ朝日系「ミュージックステーション 2時間スペシャル」に出演し、主題歌の1つ「前前前世(ぜんぜんぜんせ)」を披露した。10年以上のキャリアがあるが、地上波の音楽番組でパフォーマンスを披露したのは初めてとなり話題になった。

 実はNHKと同バンドの縁は深い。Superfly(スーパーフライ)の「タマシイレボリューション」の後を受け、「君と羊と青」が11年から12年にかけて同局サッカー放送のテーマ曲として流れた。また14年にはNHKBSプレミアムで、同バンドの野外公演に焦点に当てた特別番組が放送されるなど、同局が以前から強い興味を持っていたこともうかがえる。

 同バンドは、年末も多忙を極める。12月27日もしくは28日に大阪で行われるロックフェスに出演する予定で、同28日から31日にかけて千葉・幕張メッセで行われる「カウント・ダウン・ジャパン」にも出演することが発表されたばかり。社会現象化した「君の名は。」は紅白で特別コーナーが設けられる可能性も高い。出演方法や演出も含め、NHKと同バンド側の交渉は続くが、初出場の可能性は限りなく高まっている。

 ◆RADWIMPS(ラッドウィンプス) 01年に結成。メンバーは、ボーカル兼ギター野田洋次郎(31)ギター桑原彰(31)ベース武田祐介(31)ドラムス山口智史(31)の4人。05年シングル「25コ目の染色体」でメジャーデビュー。野田が作詞作曲を担当。リアルな歌詞と演奏、高い歌唱力で10~20代を中心に人気。野田は15年の主演映画「トイレのピエタ」で俳優デビュー。

 ◆最近の紅白はアニメとのコラボ企画も多い。昨年は「アニメ紅白」と題して出場者が「機動戦士ガンダム」「美少女戦士セーラームーン」の主題歌などを歌った。テレビ東京系アニメ「妖怪ウォッチ」が大流行した14年には、妖怪キャラクターが、司会を務めた嵐のデビュー曲「A・RA・SHI」を嵐メンバーと一緒に踊る演出もあった。