シンガー・ソングライター島香織(35)が23日、都内で日刊スポーツの取材に応じ、歌手として大成するまで「結婚しない」と宣言した。

 11月6日に東京・有楽町朝日ホール(収容600人)で「デビュー16周年ライブ」を開催する。現在は、地元の富山県高岡市と都内で活動し、同ライブは自身への「挑戦」とした。「富山と東京のかけ橋になれるようこれまで活動してきました。お客さんへの感謝の気持ちもありますが、それ以上に今回は自分への挑戦です」と力を込めた。

 高校卒業後に上京した。アルバイトをしながら、歌手になるためのオーディションに挑んだ。ライブハウスや路上でギターの弾き語りの腕を磨いた。23歳の頃、挫折した。突然、「ファンに必要とされていないのでは…」と強い不安に襲われ、ライブ中に「歌えません」とだけ言って、帰郷した。友人が大学を卒業し、就職する中で歌手としての焦りなどの感情がよぎった。音楽から離れ、地方局の番組リポーターやイベントの司会などを務めた。

 転機は10年6月。JA氷見市のCMに歌が採用されたのを機に歌手としての再出発を決意した。「このままじゃいけない」。過去のプライドを全て捨て、軽自動車で全国を回り、ビールケースの上などで歌った。年間で200本以上のライブを行った。

 12年12月に再度、上京。8月には高岡市ふるさと応援特使に就任した。東京では「歌手として埋もれている感が半端ない」と言いつつも「負けてられない!!」と前を向く。11月のデビュー16周年ライブのチケットは600枚中、現在355枚売れた。あと14日で残り245枚を売るために、CDとポスターをバッグに入れ、手売りで都内を回る日々が続く。昨年の15周年ライブは東京・銀座で200人規模の会場だったが、今年はその3倍となる。夢は、国民的歌手になってNHK紅白歌合戦に出場することだ。島は言う。「自分の可能性を信じたい。後戻りはできないし、もっと、もっと、頑張らないといけない。歌手として大成するまで彼氏をつくったり、結婚もしません」。夢実現に向け、北陸シンガーの戦いは続く。