ジャニーズ事務所のタレントはそれぞれに道を究めていて、こだわりの強い人が多いが、V6の長野博(44)はその典型だと思う。

 先日、インタビューする機会があった。昨年11月にタレントの白石美帆(38)と結婚したばかりなのに、そちらの話は照れくさそうに言葉少な。対照的に、02年に大型二輪免許を取って以来、数多くのコラムを執筆しているバイクの話になると表情が生き生きとしてきた。

 トップレーサーだけが感じる「神の域」の話は興味深かった。

 「トップの中でも特に限られた数人しか分からない感覚があるんですね。野球選手でもプロ中のプロは『球が止まって見える時がある』っていうじゃないですか。あれと同じようにサーキットのアスファルトの目が見える時があるんですって。そんな時は最初から負ける気がしない。ただ勝つんじゃなくて、どうやってライバルたちを抜いていこうか、余裕で展開が読めるそうなんです」

 レーサーたちの深層心理もしっかり聞いていて、まるでベテラン記者のように「裏話」を開陳してくれた。グルメにもこだわっていて、いつもデジカメを持ち歩いている。「撮影するのはほぼお皿の中だけですね」。年間1000軒以上を訪れ、記録しているというから、専門のグルメリポーターも顔負けだ。

 もちろん「本業」の歌や踊りもあるわけで、つくづくタフだなあと思う。ジャニーズ事務所のタレントを取材して一様に感じる感想である。