演歌歌手の加門亮(58)が18日、新曲のデュエット曲「トワイライト横浜」をひっさげ、“相棒”のフリーアナウンサーで歌手、大下香奈(39)とともに、大阪市北区の日刊スポーツ新聞社に来社した。

 ビートが刻まれ、デュエット曲としては珍しい曲調ながらも、落ち着いた加門の歌声から、どこか懐かしい雰囲気も持つ同楽曲。加門は「今までにないようなデュエット曲」と言い、大下も「新しいデュエットのスタンダードに育て上げたい」と話す。

 大下はNHK松山放送局の出身で、現在は地元の愛媛、東京を往復しながら、フリーアナ、歌手と活動を続けており、大先輩の加門と組むにあたって、歌詞をすぐに覚えたという。

 アナウンサー経験から、しゃべりやトークの仕切りが達者で、加門は大下に全幅の信頼を寄せる。「僕がボケみたいになって、彼女がつっこみ。ベラベラしゃべるから(笑い)。この立場、僕は立ってるだけだから、これは得だな、と(笑い)」。この日も、即興の掛け合い漫才のように、加門がボケ、大下がつっこみ、抜群の息を見せた。

 デュエット曲は歌い手同士の相性も重要で、普段の信頼関係も肝になるが、その点では、2人とも「相性いい」と声をそろえた。

 加門は「100人規模の全国のライブハウスを回りたい。やっぱり、大きいホールもいいけど、息づかいや、僕のシワも見えるような会場でやると、うそはつけないから」と語った。

 好きなモノマネも披露するが、相棒の大下によると「10のうち8は似てない」とか。「そのたびにフォローして、つっこむのは私だから」と笑った。

 素をさらけ出す加門の強さは、地道に歩んできた積み重ねに裏付けされている。大阪などで事務所を立ち上げ仕事をしながら、「30歳で歌手」と決め、実際に30歳のとき「海峡物語」でデビュー。新曲キャンペーンで地方を訪れると、単身でも夜に営業へ出た。

 「仕事が終わって、夜になったら、リュックサックにいっぱいレコード詰めて、朝の4時までいろんな店回って、人に会って、レコード売り歩いた。え、努力? 違う、努力じゃない。当たり前のこと」

 レコード売り上げにつなげようと、自らも購入。「だから、デビュー曲は、100枚家にある」そうだ。

 加門の話を聞きながら、大下も「受け身ではいけない。怠けていては、いい出会いもない。今年は歌もアナウンサーのお仕事も、いろんなことにチャレンジしたい」と話していた。