東映の時代劇ややくざ映画で活躍し、バラエティー番組でも親しまれた俳優松方弘樹(まつかた・ひろき)さん(本名・目黒浩樹=めぐろ・こうじゅ)が21日午前11時26分、脳リンパ腫のため、都内の病院で死去していたことが23日、分かった。74歳だった。

 映画「仁義なき戦い」などで共演し、長年の友人関係にあった千葉真一(78)は訃報を知らされると「本当か? うそじゃないのか」と絶句したという。闘病中も連絡を取るなどして病状を気に掛けていただけに落ち込んでいるという。

 北大路欣也(73)の話 仕事への情熱、夢と冒険、エネルギッシュに前進し続けた姿に心から敬愛する仲間の1人です。さよならは言いたくない、また会おう、弘樹。

 映画「仁義なき戦い」シリーズなどで共演した渡瀬恒彦(72)の話 年齢も近く、東映の撮影所でともに育ってきました。言葉が出ません。

 テレビ朝日系ドラマ「名奉行 遠山の金さん」などで共演した東山紀之(50)の話 自分が気づいていなかった僕自身の可能性を見いだしてくださったのが松方さんでした。俳優としてだけではなく、男として座長としての在り方を丁寧に指導してくださいました。掛けていただいたお言葉、一生の宝物になりました。人としての「器」の大きさを目の当たりにさせていただけたことで、僕の人生観を大きく変えてくださったこと、心から感謝しております。

 哀川翔(55)の話 初めて東映・京都撮影所に入った時、共演しないのに松方さんが待ち構えていて「オマエがあの哀川翔か、メシ行くぞ」と京都の夜のしきたりを教わった。その後も何も知らせていないのに、必ず宿泊先に伝言があってメシを食いに連れてってもらった。携帯電話のない時代なのに全部知られていて、手のひらの上だった。でも若い衆にメシを食わせるスキンシップはたたき込まれたねぇ。

 加藤雅也(53)の話 光栄にも初監督作品で主演を務めさせていただき、また役者として作品でご一緒するたびに、たくさんの感性と技術を見せてもらいました。特に時代劇の時には、粋な振る舞い方など教えてくださいました。もっともっと教えていただきたいことはあります。本当に残念です。

 松方さんの次男で俳優の仁科克基(34)の話 突然のことで本当に残念で仕方がありません。15年以上も会えないままの別れになってしまいました。最後にもう1度会って一緒にお酒でも飲みたかったです。僕にとって偉大で大変尊敬する役者でした。