２１日に脳リンパ腫のため亡くなった俳優松方弘樹さん（享年７４）の親友で俳優の梅宮辰夫（７８）が２４日、神奈川県内の自宅で取材に応じ、故人をしのんだ。

　梅宮が訃報を聞いたのは２１日。「（事実婚状態にあった）山本（万里子）さんから電話が来て『今日の１１時２６分に亡くなりました』と。ここ（自宅）にいました」と振り返った。２３日には、都内で行われた葬儀に参列した。密葬のため、参列者は梅宮のほか、松方さんの弟で俳優目黒祐樹、その妻、山本さん、最初に結婚した元モデル夏子さんの娘と息子の計６人だったという。荼毘（だび）に付された松方について「棺おけも花も遺品もなく、骨だけで出てきた。人間はこんなふうになってしまうんだ」と涙をぬぐった。さらに「昨日奥さんに聞いたら、（体重は）４０キロだったと。僕が入院したときは１１キロ減っただけでガリガリだったのに、６０キロあったとしても２０キロ減ってたわけでしょう」とも明かした。東映の時代劇ややくざ映画で一緒に活躍した盟友。「昭和の残り少ない映画俳優だった。最後の生き残り。あいつまでいなくなってしまって……。寂しいし、悲しい」と唇をかんだ。

　昨年３月から定期的に見舞いへ行っていたが、意識がはっきりしていたのは５月くらいまでだったという。「『土産、何がいい』って聞いたら『辰にいが作る弁当がいい』と。行くたびに作ってやりました」と懐かしんだ。最後に会ったのは、見舞いに行った昨年の１２月２０日。しかし、ほとんど意識はなかったといい「人が来てもぼーっとしてるだけ。オイって言っても、反応しませんし」と声を震わせた。

　自身も昨年７月、十二指腸乳頭部がんの手術を受けた梅宮だが、この日は体調について「大丈夫です」と説明。しかし「人のこと言ってる場合じゃない。私も７８歳、もうすぐ７９歳なので。生き延びたぶん頑張って、あいつの何年分かでも生きてやろうと思います」と言葉に力を込めた。