「団菊祭五月大歌舞伎」(5月3~27日、東京・歌舞伎座)で親子同時襲名、孫の初舞台を披露する坂東彦三郎(73)一家が24日、都内で会見した。

 楽善は彦三郎家に伝わる俳名。彦三郎は「楽しいような名前なので、これから楽しく舞台を務めていきたい」と話した。

 音羽屋一門筆頭の尾上菊五郎(74)は「子役のころから70年も付き合ってきた彦三郎さんが中華料理のお品書きみたいな名前になっちゃった。薬膳~!? ああ、楽善か」と笑わせ「これから枯れてくるでしょ。老け役をどんどんやってほしい」と期待した。

 彦三郎の長男亀三郎(40)は9代目坂東彦三郎を、次男亀寿(38)は3代目坂東亀蔵を襲名、亀三郎の長男侑汰(3)は6代目坂東亀三郎として初舞台を踏む。父の名を継ぐ亀三郎は「父に教わったことを体現していく。頑張るというのが一番です」。ほかに彦三郎の弟市村萬次郎も出席。

 「団菊祭五月大歌舞伎」は、菊五郎の父で7代目尾上梅幸の23回忌、彦三郎の父で17代目市村羽左衛門の17回忌追善興行でもあり、ゆかりの演目が並んだ。

 昼の部「梶原平三誉石切」「吉野山」「魚屋宗五郎」、夜の部「寿曽我対面」「伽羅先代萩」「弥生の花浅草祭」。