逆説的な表現になってしまいますが、最近、アイドルにとって「アイドルの枠から外れること」がいかに重要か、ということを感じる機会が多いです。

 たとえばHKT48指原莉乃(24)は、多数のバラエティー番組に出演し、お笑いタレントらの中で堂々とMCまでこなす「タレント」になりました。NMB48山本彩(23)は、昨年10月にアルバム「Rainnow」でソロデビュー。作詞作曲まで行う「シンガー・ソングライター」としての道を駆け上がっています。

 坂道シリーズでも、乃木坂46白石麻衣(24)は「モデル」「女性の憧れ」として、アイドルの枠に収まらない人気を獲得しましたし、生田絵梨花(20)も次々に本格的なミュージカルに出演。今月12日には岩谷時子賞の奨励賞を受賞するなど、めざましい活躍を見せています。今月25日に16歳になる欅坂46平手友梨奈の存在感は、「アーティスト」と言っても過言ではないでしょう。

 アイドル業以外の仕事が増えると、必然的にスケジュールをとられます。「グループ内でのアイドル業」にも影響が出てくる場合もあります。運営サイドとしては頭の痛いところかもしれません。あるスタッフは「あまりに『外仕事』に時間がとられ過ぎると、そのメンバーをグループの中心に置きづらくなってしまう。もちろん、グループ全体の知名度向上にはつながるので、どんどん売り込んではいきたいのですが…」と話していました。

 個人的にはもっと「アイドルの枠から出た」仕事が増えると、単純に「おもしろい」のにな、と思っています。結果的に、グループの価値を高めたり、活動の幅が広がったりすると思うからです。

 もっとも、今月17日のAKB48選抜総選挙で衝撃の結婚宣言をしたNMB48須藤凜々花(20)の例まで振り切ってしまうと、さすがにファンやメンバーからの批判も大きいようですが…。

 「アイドルの枠にとどまらない」ことの解釈はいろいろありそうですが、ただ単純に枠から外れればそれでいい、というわけではなさそうです。AKB48渡辺麻友(23)に代表されるアイドル道をひたすら突き進む「ザ・アイドル」なメンバーも含め、1度「枠」という観点からアイドルを見てみても、面白いかもしれません。