脳科学者の茂木健一郎氏(55)が、安倍晋三首相と会食したダウンタウンの松本人志(54)を批判したと受け取られた自身の発言について真意を説明した。

 茂木氏は今年3月に「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」と批判して物議をかもしたが、17日に放送されたフジテレビ系「THE MANZAI」で政治や社会問題を風刺したネタを披露したウーマンラッシュアワーを称賛するとともに、「別に、コメディーとしては当たり前だと思うんだけど、それくらいのことが流せないで、地上波テレビにかかわっている人は、何がやりがいだと思っているんだろうかと思う。忖度(そんたく)よりも勇気を。 もうそろそろ、先に行きませんか」と、権力に忖度するメディアを再びチクリと刺した。

 さらに茂木氏は「時の首相と食事をしてよろこんでいるようなお笑い芸人や、コメンテーターは、別にいてもいいけど、文化にはあまり貢献しないと思う。そういう人たちは、忖度のエンジェルに過ぎないから。それは、公共の電波でやるコメディーではありません」とツイート。さらにその後も「新聞のラテ欄を見ると、今日もまた、NHKから民放まで、ゴールデンは芸人やタレントのなれあい、内輪受けの番組ばかり。誰が、こういうのを見ると思っているんだろう」と疑問を呈し、「YouTubeで、お気に入り動画探して見ていた方がマシでしょ。もうそろそろ変わろうよ、日本の地上波テレビ」と続けた。

 茂木氏の発言は、安倍首相と会食した松本らを批判したと一部で受け取られたが、18日にツイッターで「ぼくのツイートは、松本人志さんや、古市憲寿さんを批判しているわけではありません。むしろ、エールです。私の批判は、常にシステムや、マインドセット、思想に向けられていて、ひとりの人間という存在に対しては常にあたたかい気持ちしかありません。それが安倍さんでも、トランプさんでも」と真意を説明。「安倍さんとの会食こと自体がどうこうというわけではないです。むしろ、番組の表現と一体となって、ある印象を与えていることが残念です。安倍さんというひとりの人間に対するあたたかい視線を保ちつつ、その政策や思想については、批判的ユーモアを向けること、いわゆるローストができたらいいのに」と思いをつづった。