宇多田ヒカル（３４）が、男性新人アーティストの小袋成彬（おぶくろ・なりあき＝２６）をプロデュースすることが１６日、分かった。アルバム「分離派の夏」で、今年４月２５日にメジャーデビューする。過去に楽曲単位でアーティストプロデュースに関わることはあったが、新人の本格的プロデュースは初。「この人の声を世に送り出す手助けをしなきゃいけない－そんな使命感を感じさせてくれるアーティストをずっと待っていました」と話している。

　１６年発売の宇多田のアルバム「Ｆａｎｔｏｍｅ」の制作時、インターネット上で小袋の歌唱動画を見つけたディレクターが宇多田に紹介。宇多田も気に入り、アルバム収録曲「ともだち」で、小袋をボーカリストとして招いてコラボレーションすることとなった。これが契機となり、プロデュースが決まったという。

　小袋は以前からＲ＆Ｂユニット「Ｎ．Ｏ．Ｒ．Ｋ．」のボーカルとして活動し、インディーズの音楽レーベルを設立。水曜日のカンパネラや柴咲コウらのプロデュースも手がけていた。この日は都内で関係者向けライブを開催し、高音のファルセット（裏声）を使った歌声で、２００人以上を魅了した。

　小袋はデビューを前に「私の想像を超えた世界の広がりにただ胸を躍らせるばかり」とコメント。宇多田は「私と出会うまで主にレーベルオーナーとして裏方作業に徹していた小袋成彬の表現者としての真の目覚めに立ち会えたこと、そして『分離派の夏』の完成を皆さんに伝えられる幸運に感謝しています」と話した。