歌手田原俊彦(57)が23日、TBS系トーク番組「サワコの朝」(土曜午前7時30分)の中で、「僕はビッグ」発言をきっかけにして仕事が激減した時期について赤裸々に明かした。

 問題の発言は、結婚翌年の94年に行った長女誕生発表会見の席上で口にした。結婚や長女誕生について「何ごとも隠密にやりたかったけど、僕ぐらいビッグになっちゃうと、そうはいきません」と語った。「僕はビッグ」発言としてマスコミに取り上げられ、激しいバッシングを受けた。直後からテレビ出演などの仕事が激減し、その後、所属していたジャニーズ事務所も退社した。

 番組では当時について、「そこに至るまでの経緯がありまして」と切り出した後、「写真週刊誌にすごくターゲットにされたんです。女の子とデートすれば撮られて、ひどい目に遭って、(マスコミに対して)ノーという気持ちがあって、(会見では)僕も意固地になって(取材などに対して)しゃべらないというのがあった」。しかし、長女誕生で病院や自宅へのマスコミの張り込み取材などがさらに過熱したことなどもあって「さすがに生活ができない。これは表に出なきゃ」という思いから、会見を開いたという。

 会見中は「自分の中で精いっぱいジョークを交えてやっていたつもりなんですけど」というが、それまでのマスコミに対する思いもあって「よ~し、来たなってところで、やっつけてやろうと、思ったんじゃないですか」と「ビッグ発言」につながった流れを説明した。

 結果的にこれが引き金となって、仕事先から“干された”状態となったが、「人のせいにするんじゃなくて、(会見で)僕がそういう行動をとり、そういう場面を作ってしまった」と振り返った。さらに、「あの時に僕に力があれば、全然そんなの吹き飛ばせたと思うし、そんなにみんなが思うほど、干されたという気持ちはなくて、干されたのは俺に力がないからでしょ」と淡々と語った。

 仕事の激減につられるように、コンサートの動員力も下降線をたどった。「会場も小さくなったし、お客さんも離れていったのはリアルに分かった」。ジャニーズ事務所の退社も「1人でやっていくべきなんじゃないかなという思いの方が(不安よりも)強かった」という。そして当時は「何しろあの時の僕は、自由が欲しかった」といい、干された状態になっても「ある意味すっきりした自分もいました」という。