日本テレビ系「笑点」の司会などで知られた落語家桂歌丸(かつら・うたまる)さん(本名・椎名巌=しいな・いわお)が2日午前11時43分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなった。81歳。肺気腫などで入退院を繰り返し今年4月から入院していた。通夜・葬儀は近親者で営む。喪主は妻冨士子(ふじこ)さん。11日午後2時から椎名家・落語芸術協会合同のお別れ会(告別式)を横浜市港北区菊名2の1の5の妙蓮寺で行う。

 「笑点」大喜利メンバー、三遊亭円楽(68)はこの日、地方の仕事先で歌丸さんの死を知った。日本テレビを通じてコメントし「とうとうしゃれにならなくなりました。4月、5月そして6月20日にも、お見舞いに行って話ができました。4月は目が合うだけ…。前回は笑っていろいろと、下世話な話をして、タタタタ~パパパパ~パンダの宝はパンダ!! としゃべる筋肉のリハビリの姿も再現してくれました」と振り返った。

 「笑点」では、歌丸さんと多くやりとりした。円楽は長年の親しさゆえに、歌丸さんの死去ネタで笑いをとることもしばしばだった。「回復してると安心したばかりでしたので言葉になりません。歌丸師匠と過ごした楽屋、旅先、ご自宅、たくさん思い出が多すぎて、どこをしゃべっても一片です。だから私の心にしまい込みます。だから思い出話はしません」とした。

 そして「人の心の中の思い出、寿命、皆様もそれぞれの思い出の中に、歌丸師匠を生かしておいて下さい。本当の父親、育ての親の先代。守ってくれた最後の父親との別れです。楽さんと呼んで、そばに置いて下さってありがとうございました。頼る人がいなくなりました…合掌」としのんだ。