稲垣吾郎(44)と二階堂ふみ(24)がダブル主演する映画「ばるぼら」(手塚真監督、来年公開)の製作発表会見がこのほど、都内で行われた。

漫画家の故手塚治虫さんの生誕90周年記念として、アダルト漫画を初めて映画化。異常性欲に悩む売れっ子の小説家(稲垣)と、大酒飲みで自堕落な女性ばるぼら(二階堂)との奇妙な関わり合いを描く。

稲垣は「自分は手塚作品で育ってきたようなもの」と漫画界の巨匠をリスペクト。そして「この作品は手塚先生の快作。演じたのは、愛と欲望に取りつかれたキャラクターで、自分にとっては新しい挑戦です。(人が)壊れゆく時にしか出せない色気を感じてもらえるはず。愛をむき出しにした僕を楽しんでほしい」とアピール。二階堂との初共演は「夢のような時間だった。僕を引っ張ってくれた」と感謝した。

二階堂は、父が手塚作品が好きで「鉄腕アトム」や「火の鳥」に親しんできたという。「この作品は手塚先生の黒い部分なのかなとスタッフと話をした」という。稲垣については「文学を感じる方。自分の中に眠っていた『ばるぼら』を起こしてもらった」と作品への手応えを語った。

手塚監督(57)は「初めて父の作品の実写化。一番変わっているテイストの漫画です」と異色作へ意欲を明かした。撮影にはドイツとイギリスの製作者も参加。国際共同製作にした理由について「海外の賞を目指しているのではなく、できるだけいろんな国の人に見ていただきたいから」と説明した。