映画「バーニング劇場版」(来年2月1日公開)のイ・チャンドン監督の来日会見が12日、都内で行われ、吉田羊がゲストとして登場した。

作家村上春樹氏の短編小説「納屋を焼く」を新しい解釈で映画化したミステリー作品。同監督作品の大ファンという吉田は、花束を持って登壇した。「ゆうべは興奮して一睡もできませんでした。お会いできて光栄です」と対面に感激した様子を見せた。04年公開の「オアシス」を繰り返し見ており、「見返すたびに新鮮な感情をくださって、楽しんでいます」と話した。吉田主演の映画「ハナレイ・ベイ」を見たという同監督から「演技の振れ幅にはまってしまいました。今日お会いできてうれしいです」と言われると「身に余る光栄です」と恐縮しきりだった。

吉田は「バーニング劇場版」について、「スリリングな緊張感を楽しみながら拝見しました。監督の大胆な解釈に説得力があって、現場で監督の演出を拝見したいなと思いました」と話した。すると同監督は「私の演出を見るとがっかりするかも。俳優と話はするけど、ディレクションはしないんです」と、撮影現場で演技指導などはせず、俳優に任せていることを明かした。吉田は、同監督から「ご一緒できたらうれしいですね」とラブコールを送られたが「今の話を聞くと、怖いですね。俳優自身に力がないと、ああいうすばらしい演技にならないんですね」と尻込みした。

同監督にとって、8年ぶりの新作で、来日は3年ぶり。「最近の映画はシンプルで見やすく、観客も決まったストーリーを追うことに慣れてしまっている。そういう流れに逆行したいと思って作りました。映画を通して、人生とは何かを自分なりに考えて、観客に新しい経験をして欲しいと思っています」と話した。