テレビ朝日系スペシャルドラマ「必殺仕事人」の最新作が今春、放送されることになり23日、概要が発表された。オープニングナレーションは、今月12日に亡くなった市原悦子さん（享年82）が12年から務めてきたが、今後も継続して使用されることも明らかになった。

京都市内で収録中の主演東山紀之（52）や、TOKIO松岡昌宏（42）Hey！　Say！　JUMP知念侑李（25）が取材会に出席した。07年のシリーズ復活から13作目になる東山は「ここに来ると、良き思い出と良き先輩たちの顔が、浮かんでしまう」。中村主水役の故藤田まことさん、昨年が最後の出演となった故野際陽子さん、ナレーションを務めていた市原さんらへ、思いをはせた。

「僕らがこの作品に携わる責任というのがさらに大きくなった。しっかりと受け止めて、この作品を後世に伝えたい」。市原さんとは「何度かあいさつをした」そうで「優しい先輩」だと言い、野際さんらには「プロ意識を教えてもらった。僕らがそれを見せていく番」と、決意を口にした。

ドラマで家政婦役の経験がある松岡は、市原さんを「必殺の先輩で、家政婦の先輩」と表現。名作「まんが日本昔ばなし」を見て育ち、多彩な役をこなす姿に「いろんな表情をお持ちになっているので、普段がナチュラル。すてきなおばちゃまでした」と話した。

5作目出演の知念は「ずっと若手の気持ちで。そろそろ大人として、堂々とやっていかなきゃ」と話した。今作からキムラ緑子（57）が、渡辺小五郎（東山）の義母の妹役でレギュラー入り。小五郎を呼ぶ名セリフ「婿殿（むこどの）」も継承される。【奥田隼人】

◆必殺シリーズ　72年9月放送の「必殺仕掛人」（緒形拳、林与一ら）が最初で、73年4月からの第2弾「必殺仕置人」で、藤田まこと演じる中村主水が初登場した。「仕留人」「仕業人」などと呼び名が変わり、79年5月からの第15弾「必殺仕事人」は全84話で、必殺ブームの先駆となった。92年3月に第30弾を終え、いったん終了。07年7月にスペシャルドラマとして東山紀之主演で復活。09年には連続ドラマも放送され、同年以降は毎年放送。

「あの世の地獄とこの世の地獄　どちらも地獄にかわりなし」から始まり「誰かが地獄を見なけりゃ　終われねえ　善男善女にゃ無縁の話で御座います」で締める市原さんのナレーションは、12年から使われてきた。制作のABCテレビは「ストーリーに変わりなく使用できる」として、継続使用を決めた。