脳科学者の茂木健一郎氏(57)が、新型コロナウイルスの「特別定額給付金」のオンライン申請における混乱や、香川県で4月に施行されたネット・ゲーム依存症対策条例などを受け、日本の現状を「IT崩壊国」と表現した。

茂木氏は15日、ツイッターを更新。香川県の高校生と母親が同条例を基本的人権の侵害による憲法違反だとして提訴するとの報道に言及し、「とてもいい動きだと思う。特に、憲法13条の『幸福追求権』などの基本的人権と絡めてきたのはとても筋がよくて、日本の裁判所は認めないかもしれないけど、大切な問題提起を含んでいる」と称賛した。

「そもそも、なぜ教育があるのか、学びがあるのか。一人ひとりが幸福を追求するためだろう。何に興味があって、何を学ぶのか、個性や出会いで異なってくる。そんな中、オンラインゲームは、これからの社会のインフラであり、リモートワークなども見方を変えればオンラインゲームの技術とつながる」と説明。「日本の教育の惨状は、大人たちの学力感が致命的に古いことである。未だにペーパーテストの点数が大切だと思いこんでいる。愚かなことである。子どもたちがゲーム依存症と言うならば、大人たちはペーパーテスト依存症だ。しかも、後者の方が根が深く日本の発展を阻害している」と指摘した。

続けて「今回のパンデミックでの給付金のオンライン申請の惨状を見ても、日本はもはやIT後進国というかIT崩壊国である」と私見を述べ、「なぜこうなったか? 大人たちの古臭い学力観の子どもたちへの押しつけは無関係ではないだろう。18歳まで、ペーパーテストをちーちーぱっぱとは、正気の沙汰ではない」と、学校教育の現状を批判した。