TOKIOが前代未聞の新プロジェクト「TOKIO-BA(トキオバ)」を始動することが4日、分かった。福島・西郷村に、約8万平米の広大なフィールドを購入。「さぁ、ここでなに作ろうか?」を合言葉に、ゴールを決めず全国から募るアイデアを形にしていく。このほど発案者の国分太一(47)が日刊スポーツなどの取材に応じ、熱い思いを語った。

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国分は「僕らは地球の1ピースを手に入れてしまったんです。ワクワクして来ませんか?」と終始興奮気味だった。株式会社TOKIO設立を発表した20年7月には既にベースとなる企画書を作っていた。「当時、最初のページに『夢のまた夢プロジェクト』って書いたんですよ。いつか何十年後でもいいから、って思って。2年後、現実になって発表できるのは本当にうれしい」と感慨を込めた。

「TOKIO-BA」は都内から車で約2時間半、福島の南の玄関口にあたる西郷村に位置する。東京ドームおよそ2個分の広大な同地では、現在インフラの設備工事を行っているという。電気の引き込み工事や井戸の水質調査も完了している。将来的には一般公開やさまざまなイベント開催も想定しているが、現時点では関係者以外の立ち入りは禁止されている。

国分は「今は本当に何もないです。0を1にしていく姿を、みんなで作り、みんなに見てもらいたい」と説明。今後リリースするオリジナルアプリ「TOKIO-BA」などを使って、アイデアを募集していくという。「ゴールを決めずに、このフィールドがどう変化していくかを全国の皆さんと一緒に楽しめたら。『何もない』って、めちゃくちゃ楽しくないですか? 大いに地球で遊んでもらいたいです」と伝えた。

完成形は全くの未定で、可能性は無限大だ。田んぼや畑、キャンプ場、近代的なビル、ショップ、トレーニング場、コンサート会場、DIYなどの体験スペースなど、案を挙げればきりがない。ただ国分は「今の時点ではゼロにしておきたい。ゼロを見せたい。具体的なことは何も言いたくないんです」と強調。「ロールプレーイングゲームとか、(人気町づくりゲーム)『シムシティ』みたいな感じです」とアピールした。

TOKIOは日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」の人気コーナー「DASH村」が浪江町に位置するなど、福島県との関わりが深い。国分は「やっぱり福島に育てられた部分もありますし、もっともっと魅力を伝えたい」と誓った。松岡昌宏(45)も「大好きな福島で一緒に成長していきたいです」、リーダー城島茂(51)は「この場所からたくさんの子どもたちの笑顔が生まれればいいな」とコメントを寄せた。

国分は「ジャニー(喜多川)さんだって、ここまでやるとは思ってないですよ、多分。でもこれって、新たなアイドル像だとも思うんです」と笑った。平均年齢47・7歳、デビュー28年目を迎えてもTOKIOのチャレンジは終わらない。【横山慧】

○…「DASH村」は00年からスタートしたコーナーで、TOKIOと福島の関係性は20年を超える。同所で農作物の栽培や動物の飼育などさまざまな挑戦を行っていたが、11年3月の東日本大震災で被災し、東京電力福島第1原発事故の影響で帰還困難区域となった。その後県の農林水産物をPRするCMに出演。株式会社TOKIOがスタートした昨年4月には、同社と連携して復興応援プロジェクトや県の魅力発信を進める「TOKIO課」を県の企画調整課内に設置した。

○…「TOKIO-BA」の最寄りは東北新幹線「新白河駅」から車両で20分程度、東北自動車道「白河IC」から車両で15分程度。平地と傾斜、丘の上には林エリアもある。国分によると野ウサギ、イノシシ、シカなどの動物が周囲に生息しているという。

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