尾上菊之助(31)主演、蜷川幸雄氏(73)演出の歌舞伎公演「NINAGAWA十二夜」がロンドンのバービカンシアターで初日を迎え、スタンディングオベーションでロンドンっ子の喝采を浴びた。

 シェークスピア作品の歌舞伎化という初の試みで、菊之助が蜷川氏に演出を依頼したのが原点。05年初演、07年再演を経て、シェークスピアの本場に乗り込んだが、初日直前の会見で歴戦の強者(つわもの)蜷川氏が「今日は午前4時に起きた。ものすごく緊張しているし、試験を受けるような気がする」と弱気発言をすれば、菊之助も「夢の中にいるような感じ。この新作歌舞伎が英国の方にどう映るのか、緊張感の中でいます」と硬い表情だった。しかし、午後7時、幕が開くと、満員の約1100人は歌舞伎版十二夜の世界に引き込まれた。

 [2009年3月26日6時37分]ソーシャルブックマーク