テレビドラマ「女と味噌汁」や映画で親しまれた女優の池内淳子(いけうち・じゅんこ、本名中沢純子=なかざわ・すみこ)さんが9月26日午後4時21分、肺腺がんのため東京都内の病院で死去した。76歳。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。後日、お別れの会を開く予定。

 高校卒業後、百貨店勤務を経て1955年の映画「皇太子の花嫁」でデビュー。お嬢さま女優として多くの作品に出演し、新東宝の看板女優となった。松本清張原作の「けものみち」(65年)は代表作。

 テレビは57年の「眠狂四郎」を皮切りに、60年の昼ドラマ「日日の背信」で主婦層の支持を獲得。“メロドラマ”ブームの火付け役となった。「女と味噌汁」シリーズも大ヒット。他の出演作にNHK連続テレビ小説「ひらり」「天うらら」や「白い巨塔」など。

 舞台では69年の「天と地と」以降、大劇場への出演も多く、明治座公演で長年にわたり座長を務め、「おさん」などで円熟の演技を見せた。

 2002年に芸術選奨文部科学大臣賞と紫綬褒章を受け、08年には旭日小綬章を受章した。

 [2010年9月30日14時53分]ソーシャルブックマーク