米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は16日、ニューヨーク市内のカーネギーホールで14、15日の両夜に開かれた世界的指揮者の小沢征爾氏とサイトウ・キネン・オーケストラの演奏会に関する批評記事を掲載。小沢氏がブラームスやベルリオーズの交響曲を「感動的で霊感的、かつ音楽的に機敏に」指揮したと絶賛した。

 「深く結ばれた指導者と演奏家」と題された記事は、14日にオーケストラの団員と一緒にステージに現れた小沢氏が「やせ細って弱々しく」見えたが、ブラームスの交響曲第1番の演奏を始めると「バレエのような動きで(音楽に)完全に没頭し、しかも彼流に暗譜で振った」と指摘した。

 15日夜に指揮したベルリオーズの幻想交響曲について「豪華絢爛(けんらん)な演奏の一瞬一瞬に本領を発揮した」と絶賛。演奏後に聴衆が割れるような拍手を送ったことも紹介した。

 小沢氏は18日夜には長野県松本市などから訪れている合唱団も交えブリテンの大曲「戦争レクイエム」に挑む。

 記事は、持病の腰痛から回復中の小沢氏に代わって一部の曲を指揮した下野竜也氏について「高度に熟練した若手日本人指揮者」と評価した。

 [2010年12月17日17時23分]ソーシャルブックマーク